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スズキ的イチニチ

第102話

「やるべきことはすべてやった」



「 やるべきことはすべてやった 」

昔、あるお客様から相談されたことがありました。
そのお客様は高校一年生の女の子で犬を飼うに際に親に無理をいって犬を購入しました。購入する際、親との約束で「すべて自分で面倒を見ること」これが条件でした。その子は犬の購入資金、エサ代、ワクチン代、トリミング代、などのすべての費用、散歩などやしつけなど当たり前のように一人で行っていました。高校生であるため資金はすべてアルバイトで賄い行ってきました。
トリミングでもデザインカットをしてしまうと維持費がかかる為できるだけ短くカットして維持費を浮かし爪切りや肛門腺絞りも独学で学びわからないことはよく私に質問してきました。そのけなげな姿とちゃんと大事にしているんだなと思い私なりのできる範囲で協力をしていました。

ある時その犬が大病を患い治療費に30万ほどかかることがわかり、どうやってもそのお金を工面することができず親に何とかお金を貸してくれないかとお願いしたそうです。親は「すべて自分で面倒を見ることが約束だから工面はしない、犬が苦しんでいるならば保健所で処分しろ」と突き放したそうです。生き物を扱うということはすべてを受け入れなければならない、お金がないからと言って簡単に他人にお願いをすること自体無責任であり、生きているのだからお腹もすくし病気もするその際かかるであろうお金を用意してから飼うのが当たり前ではないのではないか」と論されてしまったそうです。はっきり言ってお父様の言っていることは正論であり何一つ間違っていないと思いますががもう少し配慮があってもいいとも思いました。

事前の話し合いの際に生き物を飼うという事、お金がどのくらいかかるのか?人間の都合や環境で犬を不幸にしてはいけない等の話し合いをしたうえで購入させたらよかったのではないかと私は思います。「約束は約束」と正論だけでは「なんか可哀相でならない」という思いに駆られました。結果的に獣医さんに事情を話して分割で支払ったそうです。親としては動物を飼うという事の責任と何か問題が生じた時の対処方法を自分で考えさせたかったのかもしれませんし本当に犬が嫌いだったのかもしれません。親御さんの教育に私が口出す事ではありませんが難しい問題だった事案でした。
その女の子はその後も誰にも頼ることなく責任をしっかり持ってちゃんと育て上げました。そして先日そのワンコが天寿を全うして「色々ご協力いただきありがとうございました」とあいさつしに来た女の子をの表情はもちろんワンコが亡くなったと言う悲しさはありましたがそれ以上に「ワンコに対してやれることはすべてやった、私はあの子がいてすごく幸せだったしあの子も幸せだったと思う」と何となく誇らしい顔つきで昔話に花を咲かせました。

犬を育てる上で当たり前のお話ですが残念ながら犬を飼うにあたって「当たり前のことが出来ない」方もまだまだ多くいることは確かでもちろん家庭の環境や経済的理由様々な要因で保健所に連れて行ったり捨てたりする人が後を絶ちません。心ある動物を飼うと言う責任は重大です。
ペットは飼い主を選べません。選ぶのはいつも人間なんです。


 
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